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医師の退職について

医師の退職について

開業や転職をする際に、『開業場所や次の勤務先の決定をする』ということにエネルギーを注ぎ込むと言うことは当然のことだと思います。そして、実際に決定してしまうと、肩の荷が下りたような感じになってしまい、後はその時が来るまで待つだけになると思います。
それでも、問題はないのですが、その時が来ると、当然のことながら今の勤務先を【退職】しなければなりません。加えて、【退職】すると言うことを理解しながらも、単なる通過点と捉えがちなのも事実です。
勤務先を辞めることくらい、大きな問題ではないように思えますが、重要なポイントの一つと捉えるくらいの慎重さがあってもいいと思います。その理由を、これからご説明いたします。

立つ鳥跡を濁さず

『立つ鳥跡を濁さず』一般職ではよく言われていますが、医師の場合でも同様に、退職とはこの一言に尽きると思います。
現勤務先からの【退職】は、その勤務先に対して、いい印象があった場合は後ろ髪をひかれる思いでしょうが、逆に悪い印象があった場合には、募る思いのたけをぶちまけたいとなるかもしれません。そんな気持ちを理解できないわけではありませんが、どんな思いがあっても円満に退職できるように慎重に行動することを心掛けるべきです。
なぜならば、円満に退職できなかった場合のひどい例として、開業や転職の際に妨害や嫌がらせを受けてしまったり、退職すると言ったとたんに態度が豹変したといったような話がないわけではありませんので、必ず円満退職を心掛けてください。
こうなってくると【退職】することが、少なくとも重要に感じられると思います。当然、何もなければそれが一番なのは言うまでもありません。これは、民間の病院にご勤務されている場合だけでなく、大学の医局に所属している場合にも共通します。(大学医局の場合は、医局に籍だけを残して、医局人事からは外れると言うようになるかと思います。)大学の場合の方が、大変かもしれません。

いつ・どのタイミングで

【退職】する際のポイントの一つとして、≪いつ・どのタイミングで≫と言ったことが上げられますが、実は、法的には『退職届を提出してから実際に退職するまでに最低限必要な期間は2週間』とされており、雇用主は、これ以上の期間を超えて拘束することはできないとあります。
つまり、就業規則などで『退職願を6ヶ月以上前に…』などの項目があったとしても、それはあくまで就業規則であって(感情的には全く無視するという訳にもいかないかもしれませんが)、法的には上記の期間以上の拘束はできないと言うのは事実です。退職理由も、『一身上の都合で』とすることで問題ありません。

こう書いてしまうと、意外と簡単に短い期間で退職できるものだと思われるかもしれませんが、ご存じのとおり、現実はなかなかそうもいきません。
医師が退職する際には、通院患者や入院患者を放ったらかしするわけには行きませんので、代わりの医師の手配や引継ぎなどに多くの時間を要します。特に、代わりの医師の手配は困難で、単に時間をかければ見つかると言うものでもなく、タイミングよく見つけるのは至難の業ですが、見つけなければいけない状況ですので、担当者も努力は惜しみません。
ただ、代わりの医師が見つかるまで勤務を継続するとしてしまうと、いつまでも退職できなくなってしまいます。何故ならば、見つかるまで勤務してもらえるのであればと、担当者に危機感がなくなり、本腰を入れて探さなくなってしまいます。

それでは、どのタイミングで『退職届』を提出するのがいいのかと聞かれれば、『退職届』そのものは、先に、退職届を提出してから実際の退職まで2週間とありますので、退職日のおおよそ1か月前以内くらいで問題ないかと思いますが、それより以前に、しかるべき責任者に【退職】の意志をきちんと伝えて、理解してもらうと言うことです。
重要なのは、退職の意志を伝えるだけでなく、理解してもらっていることです。その際に、『退職届』をいつ頃に提出すればよいかを確認すれば、間違いがなくなるのではないでしょうか。
では、どのタイミングで【退職】の意志を伝えるかと申し上げますと、あまりに早すぎても居づらくなってしまいますし、遅すぎれば迷惑をかけてしまいます。目安としては、実際に退職する日の≪3か月前≫というのが、常識的な期間として考えることができ、それが円満退職へとつながっていくと考えられます。

【退職】の意志を告げた時に、残された患者さんや周囲のことを切り出されて引き留めに合うかもしれませんが、3ヶ月も前に伝えることによって退職する者としての責任は十分に果たせていると思いますので、引き留めにあったとしても、固い意志に変わりがないよう心掛けてください。
ただ、いずれにせよ大なり小なりの迷惑をかけることは事実ですので、その迷惑をできるだけ最小限にとどめるために細やかで丁寧な引継ぎをしておくことも重要だと思います。
そうすることで、退職日がやってきた際に代わりの医師が見つかっていなくても『できる限りのことは精一杯やった』と、気持ちを切り替えることもできるのではないでしょうか。

勤務先との≪雇用契約書≫

退職する際に、気になる点として勤務先との≪雇用契約書≫を締結した際の雇用期間が上げられます。
おそらく『○年ごとの更新』と記載されているケースが多いように思いますが、いかがでしょうか?それから、雇用契約書には、『退職する○ヶ月前には・・・』などの契約解除に関する条項も記載されているかと思います。
基本的にはそれに沿った形での退職であれば、何の問題もなく退職できるかと思いますが、問題は契約期間中での退職になった場合です。つまり、契約違反になるのでは?と言うことです。
労働基準法附則137条では、「期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間の定めのあるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る)を締結した労働者(14条1項各号に該当する、契約期間の上限を5年とする労働者は除きます)は、当分の間、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる」とされています。
ただ、少なくとも、勤務先と雇用契約を締結した際には、記載されている雇用期間に納得されて署名捺印をされたと思いますので、『そんなことは知ったことか』と棚に上げてしまい、法律を持ち出して強引にせまるよりは、誠意をもって理解を得られるように対応することが望ましいと思います。

退職日を決める際の注意点

それから、退職日を決める際の注意点ですが、クリニックの開設届を提出してから、保険医療機関として認めら保険診療を開始するまでに約1か月間の猶予が必要になります。それに、開業に伴う様々な打ち合わせ、スタッフの採用や研修など、勤務しながらでは対応できないことなども出てまいります。
それらも考慮して、慌てることなく退職できるよう長期的な計画を立てて退職日の決定をすることが重要です。長期的な計画は、実際に開業されている先生や開業準備の経験の多い専門の方のアドバイスを参考にすると、想像ではなく現実により近い計画を立てやすいと思います。

最後に、細かいことかもしれませんが、退職届は『退職願』ではなく『退職届』として提出しましょう。これは、表現の問題なのですが、『願』として、希望のようにとらえられても困りますので、『届』として、意志が固いことをアピールしましょう。

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