報告書に「溶血」とコメントが入っていたが、影響のある項目はあるのか?
報告書に「溶血」とコメントが入っていたが、影響のある項目はあるのか?
溶血とは血清・血漿が赤みがかっている状態の事をいいます。これは血液中の赤血球が何らかの原因で壊れ、赤血球中に含まれる血色素が血清・血漿中に出てくることにより起こります。
影響のある項目及び原因は次の通りです。
- 血清・血漿中よりも血球内の濃度や酵素活性が高い場合、血球内成分の漏出により高値をなります。カリウム・LDH・AST・ALD・Fe・葉酸・NSEが高値となります。
- ヘモグロビンが測定に障害を与える場合があります。
色調により尿酸・ビリルビンは偽高値となります。ヘモグロビンと測定試薬との反応によりTPは偽高値、ALPは偽低値となります。 - 溶血で漏出した成分が測定に影響を与える場合があります。
インスリン・BNPは低値となります。
また、肉眼的に溶血を認めない場合でも、低温で血液を保存するとヘモグロビンよりもKなどの漏出が多いことから高値となります。
溶血による影響が疑われる場合は新たに採血されることをお勧めします。
(2018-01-22 / M.N)